「What is TOY?」は「おもちゃって何だろう?」をきっかけに、おもちゃの可能性を探る連載インタビュー。今回は、ライフスタイルにまつわる書籍や雑誌で活躍される編集者・ライターの藤井志織さんにお話を伺いました。
中1と小5の息子がいるのですが、長男が2歳の頃に買ったNaef社の積木など、色が綺麗でシンプルなおもちゃはリビングに置いています。もう一つは、とてもいい音がする小さなグロッケン。大人が過ごす空間にも心地よく馴染むし、ずっと家にあるから風景の一部みたい。今でも時々、子どもが手にとって遊んでいたり。「Naef Spiele」は全部同じ形の積木なのですが、成長とともに複雑な遊び方を編み出していて驚きますね。
仕事机にも合う、「Naef Spiele」とグロッケン
長男のお気に入りは、幼稚園のときから集めている透き通った綺麗な石と、一緒に行った古道具屋さんで買った小さな虫のプレパラート。そういえば、私も子どもの頃からの宝物をずっと持っていて。母親が無くしたピアスの片方とか、海で拾ったキラキラしたガラスとか…… こういうものに「自分はコレが好き」というのが刷り込まれているんですよね。透き通ったものが好きなんだな、子どもも私も。
長男が集めている綺麗な石とプレパラート
藤井さんの宝箱 ケースは大学生の時に雑貨屋さんで買ったそう
今、次男はペットボトルの蓋をメンコみたいに飛ばすのにハマっています。「この蓋はよく飛ぶか」とかずっと考えていて。私もおままごとで、そこにあるものを何かに見立てて遊ぶのが好きでした。シュタイナーやモンテッソーリの考え方が好きで、あるもので工夫して遊ぶ力を身につけて欲しいと思っていたから、そうやって遊んでいるのを見ると嬉しいです。おもちゃを選ぶときも、想像力や感性を育む最初の時期に手にするものだから、色や形が綺麗で色々な遊び方ができるものを与えたいなって。
葉っぱが吊るされていたり、随所に遊び心のあるお部屋
私は暮らしにまつわること、衣食住の全てが好き。自分の好きなものが並んでいることに、毎日満足しています。好きなものしか持っていないから、使うこと自体がおもちゃで遊んでいるような感じ。子どもと違って、遊びの時間が切り離されていないのかも。冬になると、義父から譲り受けた桐の火鉢を使うのがとても楽しくて。炭をおこしてお餅やトーストを焼いたり、鉄器に徳利を入れて熱燗をつけたり。火遊びや、おままごとの延長みたいな感覚で楽しんでいます。
雑誌や書籍、WEBなどで編集・取材・執筆を行う。食やインテリアなどライフスタイルについての仕事が多く、インスタグラムで発信する家庭料理などの暮らしの様子にもファンが多い。 不定期刊行誌「FRaU」にて、SDGsにまつわる連載を担当中。関わった書籍に、オカズデザイン著「マリネ」、草場妙子著「TODAY’S MAKE BOOK 今日のメイクは?」、ウー・ウェン著「丁寧はかんたん」などがある。